獣医師が教える!初心者でも安心の動物病院の正しいかかり方〜受付編〜

ペット

動物病院の受付ではどうすればいいの? 何を伝えればいいの?

動物病院の正しい受付のやり方をだれも教えてくれません。

特に動物病院に初めて来院する場合に不安だと思います。

実は、この記事を読むだけで初心者でも動物病院で正しい受付ができるようになり、よりよい診察を受けることができるようになります。

なぜなら、僕自身、動物病院で10年近く獣医師として勤務しており、知らないと損をする正しい動物病院の受付方法を熟知しているからです。

この記事では、獣医師の視点からオススメの受付の仕方を紹介します。

記事を読み終えると、今後、動物病院の受付を正しく利用できるようになり、さらに獣医師や看護師から一目おかれるようになり、損をしないより良い診察やサービスを受けることができます。

正しい動物病院の受付のコツ6選

  1. 来院理由を具体的に伝える
  2. 緊急性が高い場合、遠慮せずに伝える
  3. 来院理由が複数の場合は優先順位をつけておく
  4. 初診表、問診票を詳しく記入
  5. 順番を飛ばされることがまれにあるため、注意しておく
  6. 保険証は事前に渡す

1.来院の理由を具体的に伝える

動物病院に来院した目的を出来るだけ具体的に伝えましょう。

病気で受診する時には、

『どんな異常が見られているのか(咳や嘔吐などの症状名)』
『いつから、何回起きているのか』
『食欲はどれくらいあるのか(半分くらいや普段に比べて20%など)』


を伝えて下さい。

なぜなら、獣医師は、診察に出る前にカルテに記載してある問診内容に目を通します。そして、その診察のプランニングをしてから診察に入ります。

ここで、具体的な内容が書かれていると診察がスムーズに行えます。

実際、他の診察や検査も同時進行している場合も多く、業務の効率化や時間の短縮化にもつながり、よりよい医療サービスの提供に繋がります。

もちろん、なんとなく元気がないなどのはっきりしない症状しかない病気もありますので、その場合はその通りに伝えて大丈夫です。

※ただ、もし獣医さんから一目おかれたければ、元気がない以外の明らかな症状は無いと伝えていただくと良いです。逆に他の症状がないことも病気の手がかりになることがあるからです。

2.緊急性が高い場合、遠慮せずに伝える

意識がない、ぐったりして動かない、呼吸が苦しそう、けいれんが止まらないないなど、緊急性が高い場合は遠慮せず受付でお伝えください。

飼い主さんの判断で大丈夫ですから、緊急性が高そうと思えばすぐに教えてください。

なぜなら、緊急の病気の場合に1分1秒を争い、治療を早く開始しないと助からないことも多いからです。

どうしても、受付や待合室まで獣医師の目が届かないため、長い時間待ってやっと診察になった時に、遠慮せずに早く教えてくれればと思うことがあります。

受付にいるのは看護師さんや事務さんなので、見た目で緊急性を判断できないことも多いため、まずは飼い主さんの方からお声がけをお願いします。

3.来院理由が複数ある場合は優先順位をつけておく

動物病院に連れていくことは労力がかかるのはよくわかるので、診察中にいろんな相談を受けても時間の許す限りお答えしています。

できれば来院理由が複数ある場合には、事前に受付で伝えていただくとありがたいです。さらに、気になる順番でよいので優先順位をつけてあげて下さい。

なぜなら、獣医師としては、どんな診察や質問にもできる限りこたえたいですが、他の患者さんも待たせていると、一回の診察では多くの相談に十分に時間を取れないからです。

さらに、獣医師は診察を同時進行していることが多いため終わりがけに他のことを頼まれると時間配分に影響が出ます。

また、採血や痛みが伴う検査の場合には、まだストレスを感じていない診察の始めの方がうまく行きやすく、事前に伝えてもらうことでよりよい診察ができます。

そして、先に時間がかかる検査をして、待ち時間に他のことができるので飼い主さんの時間の短縮になります。


本音としては、終わりがけでいろいろな相談をされる場合、診察があまり長引かないようにあえて詳しく説明しないようにしています。もちろん、急を要する相談内容であれば別ですよ。

4.初診表、問診票を詳しく記入

初診表、問診票に詳しく記入しましょう。

なぜなら、診察時間内にできることは限られるため、獣医師にとってたくさんの情報があった方が病気の診断や治療に役立つからです

また、初めての病院では全く情報がありません。

問診票を見て、以前に注射でアレルギーを起こしたことはないか、お薬を飲んで体調が悪くなったことはないかが分かっていれば未然に事故を防ぐことができます。

実際、獣医師は問診票の情報から、病気の診断をすでに始めていて、その情報をもとに診断に至ることもあります。

丁寧な字で詳細に書いてある問診票を見ると、気持ちが伝わり、やる気がわきます。

5.順番を飛ばされることがまれにあるため、注意しておく

受付を済ますと、待合で待っていただきます。

人が管理しているためごくまれですが順番が飛ばされたり、忘れたりすることがあるので、順番がおかしいなと思えば受付にお声がけください。

なぜなら、どんなにIT技術が進んでも人が関係する仕事である限りミスは起きるからです。

忙しい動物病院や、まだまだ多い受付システムがアナログな病院では、どうしても一定の確率で起きていると思います。

特に、アナログなシステムの病院で忙しい日の場合には、ご注意いただけると幸いです。

どうしても、個人経営の動物病院だと設備の費用が限られ、やむなく昔のシステムのままだからです。

6.保険証は事前に渡す

ペット保険に加入されている方は、必ず事前に受付でお渡しください

なぜなら、保険会社のための情報入力に意外と時間がかかるからです。

ただでさえ、忙しい病院は待ち時間が長いのに、余計にお待たせしてしまうことになります

また、病院ごとに会計に対応している保険が異なり、対応している保険会社ならその場の会計で処理できます。

しかし、対応していない保険会社では、飼い主さんから保険会社へ申請していただく場合もあります。

まとめ

  1. 来院理由を具体的に詳しく伝える
    どんな異常、いつから、何回、食欲の程度を具体的に伝える
  2. 緊急性が高い場合、遠慮せずに伝える
    明らかに様子がおかしい場合には受付に申し出る
  3. 来院理由が複数の場合は優先順位をつけておく
    • 診察を円滑に進めるため、動物と獣医師にストレスの少ない診察のため、待ち時間の短縮のため、事前にご要望をお伝えください
    • 優先度は、飼い主さん判断で大丈夫です
  4. 初診表、問診票を詳しく記入
    できる限り詳しく記入すると、病気の診断の大きな助けになります
    飲めない薬や注射のアレルギーは必ず記入を
  5. 順番を飛ばされることがまれにあるため、注意しておく
    どうしてもヒューマンエラーで起きてしまうことがあるため、ご協力いただくと幸いです(獣医業界も努力します)
  6. 保険証は事前に渡す
    無用な待ち時間を減らすためにも、必ず受付でお渡しください