『はじめて動物病院に行くけど、待合室ではどうすればいいの?』
『待ち時間が長くてもストレスを少なくするにはどうすればいいの?』
『大きいワンちゃんが来て、ケンカになったらどうしよう』
動物病院に行く時に、待合室での過ごし方に不安をお持ちではありませんか?
実は、この記事で紹介する『正しい待合室での過ごし方』を実践すると、誰でも簡単に、少ないストレスで待ち時間を過ごすことができ、トラブルをさけることができます。
なぜなら、僕自身、動物病院で10年近く診療をしていて、どのように待合室で過ごすとストレスが少なく、トラブルにあわないかを熟知しているからです。
この記事では、『動物病院の待合室での正しい過ごし方』のコツを、犬と猫に共通の大切なこと、犬の正しい待ち方、猫の正しい待ち方に分けて紹介します。
この記事を読み終えると、今後は動物病院での過ごし方で不安に思うことはなくなり、トラブルにあうこともなくなります。
さらに、動物病院の獣医さんや看護師さんから一目おかれる飼い主さんになることもできます!
目次
- 1:待合室での大切なこと(犬と猫に共通)
患者さん同士の配慮、マナーを- 1-1:静かに待つ
- 1-2:車や駐車場など病院の外で待ってもよい
- 1-3: そそうの対処法
- 2.犬の正しい待ち方
- 2.1小型犬
- 2-1-1:ケージがオススメ
- 2-1-2:リードなら短く持つ
- 2-1-3:小型犬は抱っこでもOK
- 2-1-4:待合のイスの上に乗せない
- 2-1-5:怒りっぽい子はカラーや口輪をつけておく
- 2-2:中〜大型犬
ケガをしない、させない- 2-2-1:リードを短く持ち、丈夫な首輪をつける
- 2-2-2:病院の外、駐車場や車で待つ
- 2-2-3:よだれふきがあると良い
- 2-3:心臓病や呼吸器の病気のある子
- 興奮しないように待つ、車の中がよい
- 2-4:熱中症に注意!パグやフレブル(短頭種)や肥満犬は車内でクーラーを最強にして待つ!!
- 2.1小型犬
- 3.猫の正しい待ち方
- 3-1:キャリー絶対、抱っこはダメ
- 3-2:大きめのタオルをケージにかける
- 3-3:怒りっぽい子は洗濯ネットの中に入れる
- 3-4:イスの上にケージを置かない
1.待合室でとても大切なこと
まず、何よりも他の飼い主さんや動物への配慮をお願いします。
なぜなら、動物病院には、重症の子も来院されることも多く、つらい気持ちで待っている方もいるからです。
また、お年寄りや体の不自由な方、お子さんと一緒に来られる方などもいらっしゃるので、お互いに思いやりの気持ちを持って待っていただくと幸いです。
1-1:静かに待つ
待合室では静かに待ちましょう(当たり前ですが…)。
なぜなら、動物病院には元気な子がワクチンに来ることもありますが、命に関わる重症の子も来院されるからです。
飼い主さんにもいろんな方がいて、情報交換で話したい方もいると思いますが、重症で話すどころではない方もいますのでご配慮をお願いします。
もちろん、とても元気そうな子であれば、待ち時間が長い時に飼い主さんの顔色を見て軽く話しかけてみるのは悪くないと思います。
1-2:車や駐車場など病院の外で待ってもよい
どうしても他の動物が苦手なら、待ち時間のストレスを減らすために車で待つとよいです。
また、動物病院の外に駐車場などのスペースがあれば、そこで待ってもOKです。
なぜなら、診察室に入る前に過度なストレスにさらされて、触診や注射などの診療行為ができないことがあるからです。
ただし、病院から出て待つ場合には受付に声をかけましょう。
でないと、順番を飛ばされることもあるからです。
また、呼ばれたらすぐに車から出られるように準備をお願いします。
動物病院の診察時間は限られているため、少しでも時間を効率化して診察時間を長く取りたいからです。
※忙しい時期に待ち時間がかなり長くなったりする場合や、検査の結果を待つ時間が長くかかる場合に外出してもよいことが多いです。ただし、受付へお声がけと電話で連絡がつくようにしてあげてくださいね。
1-3: そそうの対処法
待ち時間が長いと心配なのがトイレ問題ですね。
大丈夫です、そそうをしても問題ありません。
なぜなら、動物病院ではよくあることです。また、病院スタッフも慣れていますから、お声がけしてもらえれば適切に対応します。
実際、緊張でおもらしをしてしまう子も多く、仕方がないことですしね。
ただし、忙しい時間の場合にはすぐに対応ができないので、できるだけトイレを済ませたり、おトイレ掃除セットでその場で対応してもらえるとめっちゃ助かります。
見かけたら、診察に気合が入りますし。
もちろん、多くの方に気を付けてもらい待合室でのトイレ問題は少ないので、この場を借りてお礼申し上げます。
2.犬の正しい待ち方
2-1:小型犬
犬の場合、小型犬と中〜大型犬に分けて解説していきますね。
2-1-1:ケージがオススメ
小型犬の場合には、ケージに入れて来院がオススメです。
なぜなら、メリットがとても多いからです。
ストレスが少なく待てる、
他の子とのトラブルや事故を防げる、
感染症をもらうリスクを減らせる、
お会計や自分がトイレに行く時に便利、
待ち時間も別のことができる、
という点が挙げられます。
正直、デメリットが思いつかないですので、小型犬の場合には是非ケージに入れて来院しましょう。
ケージに慣れさせるためには、おウチでケージに入れておやつをあげたり、病院以外にもケージに入れていくとよいです。
2-1-2:リードは短く持つ
もし、ケージが確保できない、どうしても嫌がってしまうならリードは必ずつけてご来院しましょう。
なぜなら、大きい犬や気性が荒い子も来ることがあり、万が一のトラブルにあわないためです。
リードを短めに持ち、目を離さないようにお願いします。
2-1-3:小型犬は抱っこでもOK
小型犬であれば、抱っこで待っても大丈夫です。
ただし、急に飛び降りて骨折などの事故につながるリスクがあります。
そのため、できる限りケージに入れての来院をオススメします。
人気のトイプードルでとても多いのが抱っこから落ちての前足の骨折です。
動物病院という慣れない環境で大人しい子がいつもと違う行動を取っても何もおかしくありません。
また、待ち時間が長いと飼い主さん自身が抱っこに疲れてしまったり、お会計の時に不便なので少なくともリードは付けておきましょう。
2-1-4:待合のイスの上に乗せない
待合室でよく見かけますが、絶対やめましょう。
たかがイスの高さと思うかもしれませんが、小型犬にとっては骨折のリスクがあります。
本当に骨折すると大変なのでやめてください。
実は、小型犬の骨折の手術は骨が細くしかも安静にしてくれないため難易度が高いからです。もちろん費用(約10万円以上)もすごくかかります。
また、待合のイスは本来、飼い主さんが利用するものなので一般的なマナーとして乗せるべきではありませんよね。
2-1-5:怒りっぽい子はカラーや口輪をつけておく
もし怒りっぽい子であれば、診察室に入る前に、エリザベスカラーや口輪を付けておくことをオススメします(ペット用品店で購入を)。
なぜなら、獣医さんからよりよい診察を受けることができるからです。
また、獣医師から見て好印象です。
実際、初めて診察や検査をする動物では、まず始めにその子が体を触ったりできる子かを探りながら診察をします。
というのも、診察の難易度が天と地ほど変わってくるからです。
飼い主さんから、『ウチの子は怒ることがあって…』と申し出てもらったり、カラーを付けてあるとスムーズに触診や検査を実施でき、よりよい診察につながります。
診察室に入ると緊張やストレスも増え、あばれてカラーや口輪が付けれないこともあるので、診察室に入る前に付けることをオススメします。
2-2:中〜大型犬
つぎに体の大きい犬の待ち方について説明します。
最も重要なことは、ケガをしない、させないということです。
体が大きい子は、来院数の多い小型犬と遊ぶつもりでも不意にケガをさせてしまうということがあるからです。
もちろん、多くの飼い主さんは配慮していて事故が起こることは滅多にないのですが、再確認としてお読みください。
2-1-1:リードを短く持つ、丈夫な首輪を
一般的なマナーやケンカ防止、体が大きい犬を怖いと思う方への心配りとして、必ずリードを短く持ってあげてください。
また、首輪がゆるくて外れないように、来院する前に首輪のチェックもお願いします。
実際に、首輪がゆるくて暴れた時に外れてしまって、事故につながりかけたケースを知っています。
2-2-2:病院の外、駐車場や車で待つ
待合が混んでる場合には、安心して待てるスペースがない場合もあります。
そんな時には、動物病院の外や駐車場、車の中で待ちましょう。
特に、他の犬が苦手な怖がりさんには、待合で待つよりもストレスが少ないです。
大きい体でもなぜか小心者の子って多いですよね。
2-2-3:よだれふきがあると良い
特に大型犬は、お持ちいただくとありがたいです。
夏場は大型犬のよだれがよく出るので、待合室に水たまりがいくつかできていることがあります。
時に滑りそうになります。
もちろん、スタッフにお声がけしてもらえればよいのですが、ささっと拭いてもらっているとこの人わかっているなと、診察に気合が入りますよ。
2-3:心臓病や呼吸器の症状のある子 は興奮に注意!!
心臓病や激しい咳などの呼吸の症状がある場合、待合室でのストレスによる興奮を避けてください。
車の中やケージなどその子にとって最もストレスが少ない方法でお待ちください。
なぜなら、ストレスや興奮が病気の悪化や命に関わることもあるからです。
また、明らかにしんどそうでぐったりしている場合には、受付で先に一声かけてください!!
心臓病や呼吸器の病気は緊急の状態になることもあり、順番を待ってはいけないこともあるからです!
獣医さんが状態をみきわめて順番を待ってもよいのかどうかを判断することになります。
2-4:熱中症に注意!パグやフレブル(短頭種)や肥満犬は車内でクーラーを最強にして待つ!!
夏場に特に注意したいのが、パグやフレンチブルドッグなどの短頭種や重度の肥満のワンちゃんです。
興奮しやすい子なら絶対に冷やした車の中で待ちましょう。
なぜなら、短頭種は体を冷やすためのノドや気道がとても弱く、熱中症になりやすいからです。
また、性格が明るい子が多く、病院内で他の子に会えて嬉しくて興奮してさらに悪化しやすくなります。
肥満の子は体に熱がたまりやすくなり熱中症のリスクが上がります。
最悪なのが、短頭種でさらに肥満というダブルパンチです。
命を守るためにもダイエットをしてください。
また、どうしても夏場に受診する時には、涼しい時間帯に受診しましょう。
3.猫の正しい待ち方
最後に、猫の正しい待ち方について説明しますね。
3-1:キャリー絶対、抱っこはダメ
猫は、キャリーケースの中で待った方が、断然ストレスが少ないです。
そして、抱っこで待つのは絶対にダメです。
なぜなら、もし逃げてしまうと猫の逃げ足はものすごく、二度と捕まらないかもしれないからです。
実際に、猫は犬よりも体がしなやかで、抱っこから簡単に逃げてしまいます。
そうなると、病院中が大騒ぎになったり、少しのスキマに入って出て来なくなったりします。
最悪、病院から脱走すると、戻って来なくなることも覚悟しておかなければなりません。
勤務先では、どんなに大人しそうな子でも、万が一を考え抱っこで来られた方にはケージを貸し出しています。
3-2:怖がりの子は大きいタオルをケージにかける
ケージ内で待っていても怖がりの子はストレスを感じます。
そんな時に、ケージを包むようにタオルをかけてあげるとストレスが軽減されます。
なぜなら、タオルで囲うことにより、視界がさえぎられたり、外の音が聞こえにくくなり、より安心できる環境になるからです。
多くの猫ちゃんは、狭いところに入ると安心しますので、その習性を利用するのですね。
3-3:怒りっぽい子は洗濯ネットの中に入れる
ウチの子は体が触られるのは苦手だな、怒ることもあるという子は洗濯ネットに入れてさらにケージに入れて来院してください。
なぜなら、イヤがって暴れても洗濯ネットの中に入れば注射などできることがとても増えるからです。
実際に、猫ちゃんの中にも、怒りっぽい子がいて体は触れるけど、注射はイヤで暴れて打てなかったという子もいます。
猫が本気で暴れると何もできないのです。
そんな時に洗濯ネットに入っていれば、逃げる心配もなく体も抑えやすくなり、結果として検査や処置のできることが増えます。
以前、注射であばれちゃったなという子は、ぜひ魔法の洗濯ネットを!
※洗濯ネットは100均で十分です。サイズは、体が入ればよいです。ただ、大きくて困ることはないので、迷うなら大きめサイズがオススメです。
3-4:イスの上にケージを置かない
一般的なマナーと危険性から、待合のイスや診察室のイスの上にケージを置かないようにしましょう。
なぜなら、猫がケージ内で動いた時に、イスから落ちてしまい、ケガやケージの破損につながるからです。
いろんな子が来る動物病院では猫ちゃんがびっくりして、あばれることもあるので、必ず床の上に置いて待ちましょう。
※最近では猫用の待合室がある病院が少しずつ増えてきています。理想的にはこのような動物病院を受診するのが最もストレスが少ないです。自身の勤務先では、犬と猫の待合室を分けることができていませんが、今後このように業界全体が進んでいくと思います。ただし、まだまだ発展途上のため猫の飼い主の皆様にはご不便をおかけして申し訳ありません。
まとめ
- 1:待合室での大切なこと(犬と猫に共通)
患者さん同士の配慮、マナーをお願いします- 1-1:静かに待つ
重症の子もいるので安易に声をかけない - 1-2:車や駐車場など病院の外で待ってもよい
怖がりの子は病院の外で待とう、受付に一声を
病院の外で待つ場合は受付に一声
- 1-3: そそうの対処法
スタッフにお声を
できればトイレ掃除セットを持参してもらうと助かります
- 1-1:静かに待つ
- 2.犬の正しい待ち方
- 2.1小型犬
- 2-1-1:ケージがもっともオススメ
メリットしかないケージに入れて来院を! - 2-1-2:リードなら短く持つ
トラブル防止のために短く持ちましょう - 2-1-3:小型犬は抱っこでもOK
絶対に落とさないようにしましょう - 2-1-4:待合のイスの上に乗せない
落ちると重大な事故になることも - 2-1-5:怒りっぽい子はカラーや口輪をつけておく
用意しておくとよりよい診察ができます
- 2-1-1:ケージがもっともオススメ
- 2-2:中〜大型犬
ケガをしない、させない !- 2-2-1:リードを短く持ち、丈夫な首輪をつける
トラブル防止、他の方への配慮を - 2-2-2:病院の外、駐車場や車で待つ
大きい子は外で待つのがオススメ - 2-2-3:よだれふきがあると良い
夏場は持ってきてもらうと助かります
- 2-2-1:リードを短く持ち、丈夫な首輪をつける
- 2-3:心臓病や呼吸器の病気のある子
興奮すると病気が悪化するリスクあり!
車で待つことをオススメ
- 2-4:熱中症に注意!パグやフレブル(短頭種)や肥満犬は車内でクーラーを最強にして待つ!!
肥満の子や短頭種はもっとも熱中症になりやすく、命に関わる!
- 2.1小型犬
- 3.猫の正しい待ち方
- 3-1:キャリー絶対、抱っこはダメ
逃げてしまうとめちゃめちゃ大変! - 3-2:大きめのタオルをケージにかける
まわりの音や視界をさえぎると安心する - 3-3:怒りっぽい子は洗濯ネットの中に入れる
魔法の洗濯ネットで診察しやすくなる! - 3-4:イスの上にケージを置かない
危ないのでやめましょう
- 3-1:キャリー絶対、抱っこはダメ
以上、動物病院の正しい待ち方を解説しました。
次回は、正しい診察の受け方をお届けしますね!
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