オス猫の飼い主さんに、ぜったいに知っておいてほしい緊急の病気  〜この症状を見かけたら仕事を休んで動物病院へ〜

未分類

こんにちは、家庭の獣医師のゆうといいます。

今回は、オス猫を飼っているなら
ぜったいに知っておいてほしい病気があるので
解説していきたいと思います。

その病気とはオシッコの病気で、
尿道閉塞とか尿閉といいます。

おしっこの通り道が詰まって、出なくなる病気で
治療をしないと24時間で命に関わります。

そして、圧倒的にオス猫に多いです。

なぜオス猫かと言うと、おしっこの通り道、尿道がメス猫に比べてとても細いので詰まりやすいからです。

目次

  • ぜったいに見のがしたくない症状
  • 病気になりやすい猫の特徴
  • 早期発見法と予防法

ぜったいに見のがしたくない症状とは

おしっこの症状です。

オシッコの症状はすべて見逃さないでください。

代表的なのは、
頻尿や血尿です。

頻尿は
何回もトイレに行く、少量のおしっこを何回もする。

明確な回数の基準はないのですが1日に3回を超えると
やや多い印象です。

血尿は
おしっこの色が赤くなるとは限らず
オレンジ色っぽくなったり
一部分に血がまじるだけのことも多いです。

ちゃんとオシッコの色は確認できる色の猫砂、
トイレにしたほうが良いでしょう。

その他の症状として
トイレの最中に痛そうにニャーと鳴いたり
ペニスを気にしてなめたり、
落ち着きがなくなったりすることもあります。

かならず、この段階で動物病院へ行ってあげてください

というのは、この症状をほっておいたあとに
尿道閉塞になることがとても多いからです。

もし尿道閉塞になると
おしっこが出なくなります。
トイレに出たり入ったりして
おしっこの体勢をとっても全く出ないか、ぽたりと少したれる程度です。

元気や食欲もなくなり、吐くことも多いです。

こうなったら、動物病院で緊急の治療をしないと命に関わります。
制限時間は24時間で、
つまってからそれ以上立つと命のリスクがかなり上がってしまいます。

そのため、緊急状態にしないために、
その前兆、前触れである頻尿や血尿などを見逃さないようにお願いします。

尿道閉塞になりやすい猫の特徴3つ

①オス猫(圧倒的です)
②おしっこの病気になったことがある(膀胱炎、尿道閉塞など)
③水分をあまり取らない(ドライフードのみ、水を飲ませる工夫をしていない)

オス猫が圧倒的になりやすいのは、尿道が細いからです。

尿中にできた石がつまることもありますし、
膀胱炎の時にできたカスみたいなものがつまることもあります。

メス猫さんは尿道が太いので尿道閉塞になることは0ではないですがかなりまれです。

おしっこの病気なったことがある子はなりやすいというか、くり返すことがあります。
膀胱炎の原因や尿道閉塞の原因をしっかり突き止めて治療をしないと何回でも繰り返します。
腫瘍ができて尿道が詰まるなんて言う怖い原因もありますが、
ほとんどが、膀胱炎がくり返すことや石ができることなので
のちほど詳しく対策をお伝えします。

水分をあまり取らない子は、膀胱炎や尿道閉塞になりやすいです。
水分を取らないとおしっこが濃くなります。
すると、結石ができやすくなったり、膀胱炎になりやすくなったりします。
人間と似ているかもしれません。
猫もトイレも我慢しないほうが良いと言われ、清潔なトイレも膀胱炎予防に大切です。
水分をどうしたらいっぱい取れるかは次に解説しますね。

尿道閉塞の早期発見法と予防法

早期発見法

これは、さきほどぜったいに見逃したくない症状として解説したことと同じ内容です。
おしっこの症状はすべて見逃さないでください。

頻尿
1日3回以上に増えたら要注意

血尿
少しでも赤っぽい、オレンジ、一部にまじるだけのこともあり
色が確認できるトイレや砂を強くオススメします。

トイレ中に痛そうに鳴く
ペニスを気にする

のような症状も、早期発見のためには見逃さないでください。

もし見逃すと、尿道閉塞に進行し、命の危険が高まるからです。

ボク個人の経験では、
何もまえぶれの症状がなく
いきなり尿道閉塞になった猫ちゃんはほぼ0です。

よくよく飼い主さんにお話をきくと数日前から
トイレの回数が多いなどの症状が出ていて
もっと早く連れてくればよかったとこぼされます。

予防法

もっとも大切ですよね。

3つ重要なことがあります。

①水分をいっぱいとる
②環境を整えるなどのストレス対策
③療法食を食べている子は自己判断でやめない


この中でもダントツに重要なのが
①水分をいっぱい取る です。

先ほど説明したように、水分をとらないとおしっこが濃くなり
石ができやすくなります。
水を飲ませる工夫や、水分を含んだ食事が重要です。

ここで一番大事なのが
水分を含んだ食事、ウェットフードです。

今日はこれだけ覚えて帰ってもらってもOKなくらいです。

ウェットフードがあれば、尿石症用の療法食はいらないという専門の先生のお話を聞いたこともあります。

ウェットフードの80%は水分であるので、
これを食べるだけで多くの水分を摂取できます。

僕自身も、愛猫にウェットフードを毎回ではないのですが、なるべく上げるようにしています。

次に重要なのが
水をいっぱい飲んでもらうことです。


猫にも水の飲み方の好みがあったりします。

蛇口からしたたる水が好きな子
風呂おけなどの大きい器に入っているお水が好きな子
ぬるま湯が好きな子
流れる水が好きな子

いろいろ試してあげてください。

また遊んであげて
ノドがかわきやすくなれば水の飲む量も増えやすくなります。

②環境を整えるなどのストレス対策
も重要です。


じつは、猫はストレス性の膀胱炎がとても多い生き物です。

膀胱炎になり、膀胱の中に溜まったおりのようなものが、つまって尿道閉塞になるということが実はかなり多いと考えられています。

もともと、犬よりも野生に近い動物である猫と家の中だけで一緒に暮らす弊害と言われることもあります。
ただ、野外に出すと交通事故などかなりキケンなので家の中で飼うのが望ましいと思いますが。

なので、なるべく自然界に近い環境をオウチの中で再現してもらえるとよいでしょう。
広い、運動量を確保できるような環境
猫同士が過密にならない環境(とくに仲があまり良くない場合)
猫が気に入ってくれるトイレ環境

そもそも、自然と運動ができるような環境、住まいが望ましいですね。
キャットタワーやキャットウォークを家の中にあるとグッドです。
自然と運動するようになり飲水量も増えやすいと思います。

自然界で中の悪い猫同士が、ずっと近い距離で生活することはありません。
猫も人も、中の良くない人とひとつ屋根の下で暮らすとしたら。。。
人でもストレスで体調がわるくなったり、はては病気になってもそんなにおかしいことではないですよね。

野生の環境では
トイレをする場所が汚れていたら、ちがう気に入る場所でします。
オウチの中ではトイレの数に限りがあったりして汚れたままだと
猫もトイレを我慢したりして膀胱炎になりやすくなることがあります。

トイレは大きいほうがよく、
好きな砂の形状に好みがあったりします。

トイレについてはまたの機会にまとめて解説していきます。

最後に
③療法食を自己判断でやめない
ことです。

療法食は必ず獣医さんの指示のもとで処方を受けましょう。
いつの間にかやめてしまって、尿道閉塞になってしまった子も時折見かけます。
たしかに高いのですが、、、
尿道閉塞になってしまった場合のほうが高くつく事が多いです。

まとめ

  • 頻尿や血尿などのおしっこの症状はぜったいに見逃さない
    オス猫の場合、見逃して尿道閉塞になり緊急事態になりえる
  • 尿道閉塞になりやすいの猫の特徴は
    オス猫
    過去になったことがある
    水分をあまり取らない
  • 尿道閉塞の早期発見法はおしっこの症状
  • 尿道閉塞の予防法は水分をいっぱい取ることが最重要
    ウェットフードや水を飲ませる工夫
  • 猫にとってストレスの少ない快適な環境も大事