猫の年は人間で言うと何才? 〜獣医が解説〜 

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猫の年齢は人間に換算すると何才に当たるのか?
猫の10才は人間でいうと60才くらいなのか?
猫の平均寿命は何才なのか?

といった、猫ちゃんの年齢の疑問について 
獣医師がわかりやすく解説していきます。

また、獣医師の視点から
高齢の猫ちゃんに私たちがしてあげられることも
お伝えしていきます。

高齢の猫ちゃんを飼っている方だけでなく、
まだまだウチの子は若いよという方にも
シニアの年齢になる前に、
知ってほしい知識ばかりなので必見です!

以下がこの記事の目次です。

  1. 猫の年のとりかた
  2. 猫の平均寿命
  3. 高齢の子にできること(獣医のオススメ)

1 猫の年のとりかた 
  〜人間で言うと何才?〜

猫の年は人間で言うと何歳なのかは、
上の表を参考にしてもらうとわかりやすいですね。

まず、
2才までの年のとりかたと、
3才以降の年のとり方はちょっとちがいます。
猫の1才は 人間の15歳
猫の2才は 人間の24歳に
相当します。

その後、3才以降は
1年で 4才ずつ 年をとっていきます。
例えば、
猫の11才は 人間で言う60歳
猫の21才は 人間の100歳 ということですね。

2 猫の平均寿命

猫を飼うなら、ぜったいに知っておいてほしい
猫の寿命に関する知識があります。


猫の平均寿命はみなさん、しっていますか?

キホンですよね、
そう、15.3才です。
(2018年 全国犬猫飼育実態調査)

それでは、
室内外と外へも行く子で平均寿命のちがいは何才あるか知っていますか?

それは、2.3才です。
室内のみで飼育は、15.9才
屋外へも行く子は、13.6才
という調査報告があります。
(アニコム家庭動物白書2017)

外は、交通事故や感染症などのキケンが多いのです。

ちなみに、オストメスでも少し差があります。
どちらが長生きだとおもいますか?
それは、人間と同じでメスなんです。
猫の世界でも女はつよいのですね。

オスは 13.7才 に対し
メスは 14.8才 と1才以上長生きの傾向があります。
(アニコム家庭動物白書2017)

猫の品種によっても
平均寿命のちがいがあります。

もっとも長寿の傾向にある品種は
混血猫(ミックス)や日本猫です。
14.3才、14.2才です。
(アニコム家庭動物白書2017)

そして、純血種のほうが全体的に寿命は短い傾向にあり、
特にマンチカンという猫種の平均寿命は
11.2才
との報告があります。

ちなみに、
ギネス記録にもなっている
もっとも長生きした猫は何歳だと思いますか?

38才と3日のクリームパフちゃんです。
獣医師の自分でも信じられないくらいの長生きですね。
ここまで長生きすると、人の言葉をしゃべれたんじゃないでしょうか。
そうそうクリームパフとは、シュークリームという意味らしいです。
日本語のシュークリームは和製英語なんですね。

3 高齢の猫にできること

  • 病気の早期発見、早期治療
  • 環境をととのえる
  • 時間をより大切にする

以上の3点が特に重要だと考えています。

病気の早期発見、早期治療

自宅でできることと、動物病院でできることがあります。

自宅でできること

猫でもっとも多い腎臓病の早期発見法は、
飲む水の量が増えないか
おしっこの量が増えないか
以前と比べて多いなと感じたら早めに動物病院へお願いします。

猫の60~90%は、
関節炎になるというデータがあります。
以前と比べて、
ジャンプをしなくなった
走るスピードが落ちた
階段の上り下りが遅い、しなくなった
などが出てくることが多いです。

もちろん、食欲にも気をつけてほしいのですが。
猫には食欲が増える病気もあり、
甲状腺機能亢進症という病気は血液検査でわかります。

そして、高齢であれば体重測定も地味ですがかなり重要です。
月に1回、週に1回でも自宅の体重計を利用して測ることをオススメします。
毎日見ていると意外と痩せていることに気づけない人が多いです。
体重計の使い方としては、
まず自分が乗る
そのあとに猫を抱っこして乗る
差が体重になりますよね。
抱っこが嫌な子なら、キャリーケースを使ってもOKです。

病院でできること

やっぱり血液検査ですね。
7才以上の子なら、半年に1回がおすすめです。
1年で4つ年をとるので、
半年に1回でも僕たちに換算すると2年に1回の健康診断ということですね。

動物病院での健康診断セットには
尿検査、超音波検査、レントゲン検査なども含まれていることもあると思いますのでどこまでやるかはかかりつけの獣医さんと相談してみてください。

環境を整える

高齢になると人間と同じで
体力や感覚など色んな所が弱ってきます。
なので、ふだんいる環境をストレスなく暮らしやすいようにしてあげることもとても重要です。

温度管理は特に重要ですね。
寒さには猫ちゃんはかなり弱いので冬場の暖房は必須です。
ヒーターやコタツも悪くはないのですが、
低温やけどなどの危険もあるので、局所が熱くならない暖房器具であるエアコンがおすすめです。
夏場の暑さにも弱くなる子も多いのでクーラーも必須です。
ただ、何故か嫌いな子がいるのでその場合はひんやりグッズなどで対応するのが良いでしょう。

足腰も弱りますので、
キャットタワーを低くして落下事故のキケンを減らしたり
階段や段差を低くして登りやすくしてあげることも必要です。
また、トイレの敷居が高い場合には低くして入りやすくしてあげましょう>
猫のバリアフリーですね。

さいごに、環境を大幅にかえないことも重要です。
高齢の猫は新しいことに慣れるのがどうしても苦手になります。
引っ越しをしたり、模様替えをしたり、新入り猫が来たり、
いつもの環境とちがうようになると、
トイレを失敗したり、認知症が悪化したり、大きなストレスから体調に影響が出ることもあります。
老猫ファーストでお願いします。

より時間を大切にする

どんな生き物にもお別れの時はきます。
誰が悪いとかではなく、かならずその時は来ます。

そのときに、後悔しないように日々をより大切に過ごしてほしいと思います。

寿命のことを考えることによって、
例えば、
もう〇〇才だから、もしかしたらあと〇〇年しか一緒にいられない?
もっと、毎日なでてあげる時間をとってあげよう。

個人的な経験でも残り時間を意識すると
より今の時間の大切さに気づき、過ごし方が変わることが多いです。

この記事をご覧いただくことで、
愛猫との時間の大切さを改めて考える一助になれば幸いです。