こんにちは!
獣医師のゆうです。
老犬の飼い主さんなら、
「老犬でもペットホテルを利用したいな」
「準備すべきものはあるの?」
「預けるときの注意点やデメリットは?」
と考えたことはないでしょうか?
この記事では
動物病院で10年間勤務している獣医師が
老犬だからこそペットホテルを利用すべき理由、
準備しておきたいものや
メリット・デメリットを
わかりやすく解説しています。
目次
老犬でもペットホテルを利用していい理由4選
介護疲れ、飼い主さんの休息
頑張り屋の飼い主さんにこそ
休息が必要ですよ。
まじめな人ほど、
老犬の夜鳴きや認知症の症状で睡眠不足やノイローゼになったり
病気の介護疲れでダウンしてしまったり。
愛犬にとっても、
飼い主さんが元気で健康でいてくれないと
しあわせとは言えないのではないでしょうか。
老犬の介護は長期戦になることが多いですから
休めるときには休みましょうね。
ペットホテルに預ける際の注意点は後ほど解説しますね。
冠婚葬祭
人生にはいろんな出来事があります。
一生に一度の結婚式
最後のお別れのお葬式
愛犬もちょっとさびしい思いはするでしょう。
それまでずっと長く寄り添ってきたのであれば
分かってくれるのではないでしょうか。
旅行や出張(短期間の)
若いときには一緒に旅行を楽しめたけれど
老犬になったら遠出をするような旅行は考えものです。
なぜなら、
老犬になったら体力もおとろえてきますし、
新しい刺激をストレスと感じやすくなるから。
一緒に旅行をするよりも
ペットホテルのほうが負担は少ないでしょう。
出張は、
お仕事でやむをえないなら致し方ないと思います。
あなたの生活が成りたたないと
愛犬の生活にも支障が出るでしょうから。
愛犬が納得してくれる理由
ほかにも、いろんな理由で
老犬をペットホテルに預けることを
検討されているかもしれません。
もし迷っているなら
あなたが愛犬の立場になって
愛犬が納得してくれるかどうかで
考えるとよいと思います。
🐶「それならしょうがないワン」
と言ってくれればOKですね。
老犬OKでもお預かりが難しい場合4選
持病や障害がある
老犬になると
持病があることが多いです。
預かる側としても、
何かあってはいけないですから
慎重にならざるを得ませんよね。
獣医さんと相談をしてからが良いでしょう。
もし、かかりつけの動物病院が
ペットホテルもやっていると一番いいですね。
大型犬、中型犬
体が大きい子は
ちゃんとお世話をしようとすると
手間もかかりますし
力も必要です。
人手がおおいところや
男性スタッフがいるところでないと
難しいかもしれません。
一見さん
若い元気な子を預かる時よりも
ホテル側にかかる
責任は大きくなります。
老犬になって初めてとなると
預かるホテル側としてもさらに不安が。
昔から利用しているペットホテルなら
信頼関係はできているでしょう。
非常識な預ける理由
老犬を預かるペットホテル側には
責任がかかってきますので
理由は必ず聞かれるでしょう。
さきほどお示ししたような理由に該当すれば
認められると思います。
老犬をペットホテルに預けるときに準備したほうがいいもの5選
ワクチンやノミ・ダニ予防の証明書
多くの犬を預かるペットホテルさんでは、
最低限の予防は必須になります。
混合ワクチン、狂犬病予防、ノミダニ予防ですね。
万が一があると他の子に迷惑がかかってしまうからですね。
動物病院で相談の上、ワクチンやノミダニ予防を。
ふつうワクチン証明書はもらえると思いますが、
心配なら事前に希望を伝えておきましょう。
いつものフード
かならずいつものゴハンをご持参ください。
食べ慣れたゴハン、フードじゃないと
お腹の調子が悪くなることも。
僕の経験でも、
ペットホテル後に嘔吐や下痢は多いですね。
ちなみに、1回量ずつ小分けにしてもらえると
ありがたいです。
食べ慣れた食器
食器もいつもと同じもののほうが
食べてくれやすいでしょう。
ただでさえ、
環境が変わるので
少しでもおウチでの環境に近づけたいですね。
お気に入りの毛布、ベッド
お気に入りのニオイのついた寝具は
必ず持っていきたいです。
おウチの環境に少しでも近づけて
安心してもらうためです。
ニオイがついている方が安心するので
直前には洗わないほうがいいですね。
持病のクスリ
老犬になると持病を持っていることも。
おクスリを飲ませている方法も
かならず伝えておきましょう。
缶詰やおやつにいれて上げているなら
一緒に持っていきましょう。
老犬を預ける時の注意点、デメリット6選
費用
お世話や介護に手間がかかるため
料金が割高になっていることも。
体格にもよりますが
1泊5,000円〜10,000円が目安。
詳しく知りたい方は
事前に問い合わせておきましょう。
認知症(夜鳴きなど)の悪化
老犬に多い認知症は
環境の変化で悪化することも。
なぜなら、
環境の大きな変化は認知症の脳にとって
大きなストレスになるからです。
実際に、
認知症の犬の家では
引っ越しや模様替えをしないことは重要です。
ただ、
飼い主さんが疲れ切ってしまう前に
いったん預けて休憩してもらうことはとても大事です。
持病の悪化
いつもと違う環境になるため
様々なストレスにより
持病が悪化することもありえます。
病気の種類にもよるので
通院中の子はまずは獣医さんに相談を。
ペットホテルの質、老犬や介護に慣れているか
老犬のお世話には
若い犬とはちがった知識や経験が
必要だと考えます。
とくに
介護が必要な子であれば
ゴハンの食べさせ方
水の飲ませ方
排泄の介助の仕方
床ずれ対策
などなど経験や技術も必要です。
できれば、
一度、見学に行っていただき
他の老犬の子がどのようにお世話されているかを
見ておきましょう。
動物病院のペットホテルでも絶対安心ではない
動物病院併設のペットホテルも目にしますが、
絶対安心、オススメとはいえません。
なぜなら、
動物病院が老犬の介護に慣れているとは限らず
老犬に特化したホテル環境ではないこと
があげられます。
とくに
かかりつけの動物病院でなければ
医療面でも病歴がわからないと適切な対応が難しいこと
もあります。
いざという時に後悔しないか
生き物である以上、
とくに年をとった子であるなら
急に体調が変わることは
決して不思議ではありません。
また、24時間ずっと見守ってくれるところも
なかなか無いと思います。
老犬をペットホテルに預けるつもりであれば
いろんなデメリットを理解の上、
信頼できる施設を選ぶことが、
飼い主さんにできる最善の策ではないでしょうか。
老犬がペットホテルを利用する最大のメリットとは
さきほど、
さまざまなデメリットもお伝えしてしまいましたが、
それでも老犬をペットホテルに預ける最大のメリットがあります。
それは、
飼い主さんの休息です。
認知症による夜鳴きなどで睡眠不足になったり
病気の介護疲れで心身ともに疲れ切ってしまったり
そんな飼い主さんを多く見てきました。
真面目な方ほど
ひとりで抱え込んでしまい
どんどん疲れた顔になってしまう傾向にあるように思います。
もちろん、
老犬をペットホテルに預ける際には
認知症の悪化も含めたさまざまなデメリットもあります。
ただ、
頑張りすぎている飼い主さんほど
1日だけでも、半日だけでも
信頼できる施設に預けることができれば
もう一度気を取り直して
愛犬の介護や看病に取り組むことができるのではないでしょうか。
そして、
愛犬にとっても元気がない飼い主さんより
しっかり休憩してリフレッシュした飼い主さんとの生活のほうが
よりしあわせに感じてくれるように思いますよ。
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