【獣医が教える】猫に多い病気や症状ランキング10 第10位から第6位 〜早期発見法と予防法も解説〜

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こんにちは、獣医師のゆうです。

今回は、猫ちゃんに多い病気を10個
解説していきたいと思います。
そして、獣医師としての経験と知識をもとに
飼い主さんにとってとくに大事な
各病気の早期発見法や予防法もわかりやすく解説していきます。

こちらをご覧いただくことで
猫ちゃんには
「こんな病気がでやすいんだー」
「こういう時は早く動物病院へ連れて行ったほうがいいのか」
「これを知ってれば早期発見しやすくなるのか」
「そんな予防法があったのか」
といっていただけるような
役立つ情報を発信していきますね。

一つ一つの病気の説明を詳しくというよりは、
10個の病気それぞれの重要なポイントについて
ざっと解説していきたいと思います。


以下が目次です。

  • 第10位 皮膚炎
  • 第9位 糖尿病
  • 第8位 元気、食欲がなくなる
  • 第7位 外耳炎
  • 第6位 結膜炎
  • 第5位 心筋症 (心臓病の一種)
  • 第4位 胃腸炎
  • 第3位 膀胱炎
  • 第2位 嘔吐、下痢、血便
  • 第1位 慢性腎臓病

第10位 皮膚炎

皮膚の病気です。

かゆくなる病気であれば、
アレルギー性皮膚炎やノミなどの寄生虫が皮膚炎を起こしている可能性を考えます。

かゆみがあんまりなくて、脱毛やハゲができているだけであれば
カビの感染による皮膚炎を考えます。

そして、猫で意外と多いのが
精神的なストレスなどで
自分で皮膚や被毛をなめこわして起こす皮膚炎です。
飼い方やその飼育環境などが原因のことも多いですが、
他の病気になっていてそれでイライラしてなめてしまったり、
体が痛くてなめ行動に至ってしまうこともあります。

早期発見法

毎日、なでてあげて色んな場所を見てさわってあげましょう。

皮膚が赤くなってないか、
毛が薄いところはないか、
おなかも見てあげてくださいね。

予防法

アレルギーはなかなか難しいですが、
ノミであれば、外に出さない、予防薬を使う
カビであれば屋外の猫との接触を防ぐ
精神的なものなら、飼育環境を猫ファーストにする

などがあげられます。

第9位 糖尿病

猫も糖尿病になります。
そして、早期発見して治療しないと命に関わる病気でもあります。
治療法は、インスリンという成分をキホン1日に2回注射をします。
なので、もし糖尿病になるとなかなか大変です。

早期発見法

飲む水の量がめちゃくちゃ増えます。
早期発見しやすい病気だと思います。
どれくらいお水を飲むようになるかというと、基準があります。

1日あたり、
体重1kgに対して、
50 cc以上 です。

なので4kgの子だったら
1日で200cc以上飲んでいたらすぐに動物病院へ行ってください。

もちろん、個体差はあるので
以前より増えたなと思ったら動物病院へ相談をお願いします。

予防法

確実な予防法はないのですが、
太っている猫のほうが糖尿病のリスクは高いです。

もし、心当たりがあれば、ダイエットをお願いします。

第8位 元気・食欲がなくなる

ほぼすべての病気に当てはまる症状が第8位です。

ここでお伝えしたいことがあります。
獣医さんにかかるときには、
どれくらい食欲がなくなったかを
具体的に数字で教えてあげてほしいということです。

たとえば、
いつもの食欲を100%としたら
半分なら50%、
ちょっと少ないくらいなら80%
ほんの少ししかたべなければ10%など
です。

この数字だけで病気はわかりませんが
重症度の指標に用いることも多いです。

重病を考えて高い検査をすすめたほうがいいのか?
いまは様子を見ても良さそうなのか?
いろんな事を考えて診察をしているので、
具体的な情報があると非常に助かります👍

第7位 外耳炎

犬に比べて、猫の外耳炎で困るケースは少ないです。(僕の経験上)

ただし、ときどき重症化することがあります。

ミミダニ感染、耳の奥にポリープやしこりができたときです。

また、品種的に
スコティッシュ・フォールドさんや
アメリカンカールさんは
耳介が折れていると耳垢がたまりやすく苦労することがあります。

もしお困りなら、
耳垢をしっかり検査してもらったり
耳の奥をしっかり検査してもらうことがまずは重要だと思います。

早期発見法

耳をかゆがってないか、
汚れがないか、
耳の中もチェックしてもらうことが大事ですね。

わりと見つけやすいと思います。

予防法

残念ながら、予防はむずかしいと思います。

耳そうじをオウチでやれば大丈夫なんじゃないの?
と思われる方もいるかも知れませんが、
病的なものを、耳の掃除だけで治すのはきびしいと思っています。

むしろ、綿棒を使った耳そうじをすると
よごれを奥の方に押し込んでしまったりする危険性もあります。

耳を専門にされている獣医の先生で、綿棒の掃除をすすめている人はいなかったと思います。

第6位 結膜炎

目の病気です。
結膜とは、あっかんべ~して見えるところです。

このの結膜が炎症を起こすと、
はれたり、
赤くなったり、
目ヤニや涙が出たりします。

猫ちゃんでもっとも多い原因は
ヘルペスウイルスによる感染症です。
猫同士で感染を起こします。
特に外に行く猫に多いですね。

治療法は、
目薬、飲み薬、などさまざまありますが、
特効薬はないのが現状です。

早期発見して軽いうちに治療を始めることや
予防法を実施することが特に重要です。

早期発見法

目の症状を見逃さないことです。

涙の量、
しょぼしょぼ、
充血、
目ヤニ、

わりと気づきやすいと症状だと思います。
しっかり見つめてあげましょう。

予防法

ヘルペスウイルス感染症の場合、
ワクチンによる予防が効果的です。

絶対に100%予防できるとはいえないのですが、
かなり確実に重症化を予防することはできます。

とくに、このウイルスは重症化すると
命に関わることもありますので、
結膜炎というよりは
命を守るために、
子ネコのときからのワクチン接種をおすすめします。

第5位以降は次回へ

第6位までで、すでにけっこう長くなってしまったので
別にわけてお伝えしていこうと思います。

まとめ

  • 皮膚炎  
    早期発見:色んなとこをさわってあげて
    予防:寄生虫予防、屋外の猫との接触を防ぐ、😸ファーストの環境
  • 糖尿病
    早期発見:飲水量が増えてきてないかチェック 体重1kgあたり30〜50 cc以上
    予防:アザラシ級の猫ならダイエットを
  • 元気・食欲がなくなる
    いつもにくらべて〇〇%の食欲のように、数字で教えてもらえると助かります。
  • 外耳炎
    早期発見:耳のヨゴレやかゆみなど耳チェックを
    予防:耳そうじでの予防は難しく、綿棒は悪化の要因にも
  • 結膜炎
    早期発見:目をみつめてあげよう。目ヤニ、ショボショボ、涙の量などをチェック
    予防:ワクチンが特に重要で命を守るためにも