いぬの「心臓病」のドッグフードの選びかた〜アメリカ獣医内科学会ガイドラインより〜

未分類

愛犬が心臓病と診断されたけど、

いつものフードのままでいい?
あげたほうがいい食べ物、あげてはいけないものはある?


と困っていませんか?
こんな悩みを解決できる記事を書きました。

この記事を読むと、
全世界の獣医師も納得する犬の「心臓病」の食べ物の選び方がわかるようになります。

なぜなら、
ACVIM(アメリカ獣医内科学会)が推奨しているガイドライン(英語)、(日本語はこちら、おざき動物病院HP)
に沿って記事にしているからです。


この記事では、
中高齢の小型犬でとても多い心臓病(僧帽弁の粘液腫様変性、僧帽弁閉鎖不全症、弁膜症)について、

  • おすすめのドッグフードの選び方のポイント3選
  • 心臓病フードのデメリット
  • 上げないほうがいい食べ物

をわかりやすく紹介しています。

注:この記事では以下、心臓病と記す場合は僧帽弁の粘液腫様変性のことを表します。
また、それ以外の心臓病についての食事については説明したものではないことにご留意ください。

心臓病の療法食はそもそも効果があるのか

適切なタイミングで、(重要!)
適切な食事管理には、
効果があると考えてOKです。

なぜなら、アメリカの獣医の心臓病専門医が集まって決められたガイドラインで、
強く推奨されているからです。
心臓病専門医の多くの意見が一致しているため信頼度は高いです。

ただし、
生きられる期間が何日、何ヵ月どれくらい伸びるのか、
科学的なデータが無いのが現状です。

個人的には、データが豊富な薬や手術による治療がメインで、
食事治療は補助的にと考えています。

大前提、正しく診断されてますか?

心臓病のドッグフードの選ぶ前に、
そもそもほんとうに心臓病なのか、
だとしたら重症度はどれくらいなのか
を診断することが重要です。

なぜなら、
心臓病の重症度(ステージ)で食事管理が必要なのかどうか、食事に必要なものが変わってくるからです。
さらに、間違ったステージの状態で食事を選ぶと悪化のリスクさえあるからです。

実際のガイドラインでは、ステージごとに食事管理の推奨事項が分かれています。

心臓病の犬におすすめのドッグフードの選び方ポイント3選

ガイドラインでは、ステージごとにおすすめの食事が変わります。
そのため、愛犬が今どのステージなのかを
担当の獣医師に聞いておきましょう。

※重症度(ステージ)分類

詳細は長くなるので省略しますが、AからDへ進むにつれ重症になります。
診断にはレントゲンやエコー検査が必要です。

食事選びのポイント3選

食事選びのポイントは3つ、

十分なカロリー、
十分なタンパク質、
ナトリウム制限、


です。

ステージB2以降で食事管理が推奨されます。
以下、ステージごとに説明します。

ステージA

いかなる薬、食事も推奨されていません。

ステージB1

いかなる薬、食事も推奨されていません。

ステージB2

ステージB2から、お薬と共に食事管理も推奨されます。
ただし、推奨度は弱めです。

①十分なカロリー

 ステージCで詳しく解説

②十分なタンパク質

ステージCで詳しく解説

③軽度のナトリウム制限

塩気の強い食べ物はあげないように。

ガイドラインには、具体的な数字の制限の記載はないですが、
ペットフード会社ロイヤルカナンの獣医師用サイトを調べてみると、
400mg/400kcal程度が軽度のナトリウム制限と考えられます。

ただし、このステージでこのレベルを超えて制限しすぎると、
適切な効果が出なかったり悪化のリスクもあるため注意しましょう。

また、200mg/400kcalより少ないと、より厳しいナトリウム制限のレベルと考えられます。

現場的には、推奨度もそこまで強くないため
塩気が強いものをあげない様にするだけでも悪くないと考えています。

ステージC

このステージ以降は、食事管理が強く推奨されます。

以下の3つのポイントを満たした食事を選べると良いでしょう。

①適切なカロリー

とても大切なのが、しっかり食べてやせないこと。

なぜなら、心臓病が重くなると、
カロリーがどんどん消費され、
やせていく悪液質という病気になりやすいからです。

そして、
一度なったらより短命になりやすくなり
治すことも難しいからです。

基準は、60kcal/kgをしっかり食べましょう。

ガイドラインにも、
食べさせるために、温めたり、ウェットを混ぜたり、いろんなフードをあげましょう
と書いてあります。

②適切な蛋白摂取

しっかりタンパク質をたべましょう。

ガイドラインも
重症の腎臓病でなければ、低タンパクは避けるようにと言ってます。

悪液質の予防や、
心臓は筋肉でできていて、筋肉はタンパク質でできているので
しっかりタンパク質を摂ることは重要です。

③低ナトリウム,適切な塩分バランス

強く推奨されています。

いぬの場合、高血圧ではなく、別の要因で心臓病悪化のリスクがあるためです。

ガイドラインにはナトリウム摂取量の数値基準はなかったですが、
僕調べでは200mg/400kcalのナトリウム制限のレベルと考えられます。

このステージでも
塩辛いものはあげない様にしましょう。

ただし、制限しすぎも良くありません。
獣医の専門誌も調べましたが、
極端に塩分やナトリウムを制限しすぎて低ナトリウム症になる子も少なくないです。

定期的に血液検査をしてナトリウムを計測すると安心です。

※オメガ3脂肪酸

こちらもガイドラインに含まれていますが、上記3つに比べ推奨度は弱いです。
気の利いた心臓病の療法食には入っていますね。

ステージD

ステージCと同じです。

心臓病フードのデメリット4選

間違ったステージでは悪化のリスク

正しい病気の診断、正しいステージのときに
適切なフードを与えないと
かえって体調を悪化させてしまいかねません。
例えば、あまりにも早期のステージでナトリウムを制限したりなどです。

ほんとうに僧帽弁の粘液腫様変性なのか。
どのステージなのか診断されているか、
ガイドラインに沿ったフードなのか、
を理解したうえで食事を管理しましょう。

食べつきが悪いと逆効果のリスク

しっかり食べてくれないと
やせていく悪液質という状態になりやすく、
短命になるリスクがあるからです。

愛犬のために心臓病の療法食を買ったけど好みに合わなかった場合、
いさぎよくあきらめも肝心です。

そのほうが短命になるのなら本末転倒です。

低塩分、低ナトリウム

早期すぎるステージでは行うべきではないです。
また、極端なナトリウム制限は体調をくずす危険性もあります。

食事もなにごともバランスが大切です。

信頼できる製品か

この記事を書くにあたり、サイトをいくつか見ましたが
低カロリーや低タンパクをうたっているものも見つけてしまいました。

ポリフェノールとか多分効果ないけどマイナスにはならないのは許せるけど、
真逆のことをやって悪化させるのだけはマジでやめてほしい。

おすすめの療法食、食事の具体例

ここでは、個人的におすすめの食事管理の方法、療法食をご紹介します。
ガイドラインにはどのフードが良いかなど具体的なことは載ってないため、
ご留意ください。

ステージごとで変わります。
もちろん、ステージAとB1では特にありません、いつも通りでOKです。

ステージB2

軽度のナトリウム制限、十分なカロリーとタンパク質がやや推奨なため、
個人的には塩気の強いおやつをひかえるだけでも悪くないと考えています。

療法食では、
ロイヤルカナンの早期心臓サポート+関節サポート ドライ
がおすすめです。
成分表を確認したところ400mg/400kcal程度にナトリウム制限がしてあります。

ステージC、D

食欲がしっかりある子、フードが変わっても食べてくれる子であれば、
心臓病療法食がおすすめです。

適切なナトリウム制限、適切なカロリーとタンパク質に設定されてあるからです。

ただし、食べつきが悪い場合は、
やせていく悪液質という病気になりやすくなるため、
たべてくれるフードを最優先です。

その場合には、心臓サポートの缶詰めをトッピングすると全体として
塩分が控えめにできるでしょう。

あげないほうがいい食べ物

塩分の強いおやつはどのステージでもあげないほうがよいでしょう。
食事はバランスが大事ですよね。

チーズ、ハム、サラミ、ジャーキー
お父さんのおつまみも注意しましょう。

フードよりも重要なこと、早期発見、投薬、手術

冒頭にもお伝えしましたが、
食事治療は、ガイドラインでは推奨されているものの
お薬や手術といった治療の補助的なものです。

お薬を飲むためには、少しのおやつに包むのは良いでしょう。
手術治療で根治も可能ですから、検討はしましたか。

そして、早期発見をすることも重要ですから、
聴診を半年以上していなかったり、咳をしている子は動物病院に行きましょう。

※心臓病が進行すると咳をすることが多くなるため

まとめ

ガイドラインがある数少ない病気なので、
ポイントしっかりおさえて食事管理の参考にしていただければと思います

  • アメリカ獣医内科学会ガイドラインではいぬの心臓病において食事治療は推奨、ただし科学的なデータは現状ない
  • 正しい診断、ステージ分類が重要。ステージで食事治療の推奨レベルがちがう
  • 心臓病の犬におすすめのドッグフードの選び方ポイント3選
  • ステージB2、C,D (ステージA、B1は推奨されない)
  • 十分なカロリー、十分なタンパク質、ナトリウム制限
  • 心臓病療法食には適切に使わないとデメリットもある
  • どのステージでも塩気の強いものはお勧めしない
  • 食事治療も重要だが、投薬や手術治療がより重要

以上、ここまで読んでくださりありがとうございました。
本記事が、少しでも参考になれば幸いです。